展示概要
東京都は、大都市圏とともに、亜熱帯の島嶼部から奥多摩等の山間部にも広がり、自然環境、社会経済的条件、そして歴史・文化・民俗まで、多様な地域から成り立っています。そして東京都の公立大学である首都大学東京では、この全域を重要な研究・教育の場としています。
本企画展では「自然と社会と文化」に注目し、東京の海・山・島をフィールドとして展開を続ける研究内容と最新の成果、そして国内外から本学に進学する学生、社会人が参加する体験型の教育プログラムについてご紹介いたします。展示内容には前身の東京都立大学時代から45年の研究実績を持つ小笠原諸島をはじめとした、島嶼部での成果を多く盛り込み、それぞれに関わる研究者、学生らの取り組みの姿や地域との連携の実際にもスポットをあててご紹介いたします。
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1南島から撮影した父島南西部。この一帯では石灰岩の島々や岩礁が点在する沈水カルスト地形が見られる(小笠原・父島) 2グリーンアノール(小笠原・父島) 3三宅島における最古の噴火を復元するために実施された野外調査(三宅島) 4自然放射線測定(神津島) 5展示予定資料「御倉島之図」(水野家文書「伊豆七島絵図」首都大学東京蔵) 6国内では珍しいパホイホイ溶岩の観察(八丈島南原千畳敷) 7テングサの成長実験(八丈島藍ヶ江、水深5m) 8教育プログラム「学外体験講座」(奥多摩・御岳山) 9教育プログラム「自然と社会と文化」(海の生物から考える:伊豆大島)
展示担当者(所属/担当展示番号)
ギャラリートーク<申し込み不要>
各開始時間から30分程度、展示担当者(教員・研究者)によるギャラリートークを実施します。ぜひご来場ください。
※その他の日時にも会場で展示担当者(ネームカード着用)を見掛けましたら、お気軽にお声掛けください。
日程 | 開始時間 | テーマ | 担当者 | 所属 |
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10月24日 [土] |
14:00- | 小笠原諸島の両生類・爬虫類の遺伝的特異性 | 林文男 | 都市教養学部 理工学系 生命科学コース |
15:00- | 今回の企画について/東京の海の磯焼けとその対策/学外体験型教育プログラム | 黒川信 | 都市教養学部 理工学系 生命科学コース | |
10月31日 [土] |
14:00- | 今回の企画について/東京の海の磯焼けとその対策/学外体験型教育プログラム | 黒川信 | 都市教養学部 理工学系 生命科学コース |
11月3日 [火・祝] |
14:00- | 本学所蔵「水野家文書 伊豆七島絵図」を見る | 谷口央 | 都市教養学部 人文・社会系 国際文化コース 歴史・考古学教室 |
11月7日 [土] |
14:00- | 東京の火山島 -三宅島における野外調査と最古の噴火- |
南里翔平 | 都市環境科学研究科 |
15:00- | 小笠原諸島における外来植物問題とその対策 | 加藤英寿 | 都市教養学部 理工学系 生命科学コース | |
16:00- | 東京の火山島 -三宅島における野外調査と最古の噴火- |
南里翔平 | 都市環境科学研究科 | |
11月8日 [日] |
14:00- | 小笠原諸島父島および母島における外来アリ類の生息実態の解明 | 江口克之 | 都市教養学部 理工学系 生命科学コース |
大学行事
企画展会期中、首都大学東京南大沢キャンパスでは大学祭「みやこ祭」をはじめ、各種行事が開催されます。こちらにもぜひお立ち寄りください。
・首都大学東京 南大沢キャンパス大学祭「みやこ祭」2014年10月31日(金) ~ 11月13日(木)
伝統文化は誰のものか。誰のものでもない共有物なのか。あるいは特定の誰かのものなのか。これらは、地域固有の文化を素材とする作品について、制作・利用・管理主体のありかを考えるための問いです。今日、先住民の知的財産権という論点をはじめとして、地域固有の文化に根差した知的資源の管理について様々な角度から議論されています。本企画展・シンポジウムは、世界各地の最近の動向を紹介しつつ、エスニックアートの市場や博物館での資料展示においての、地域固有の文化的資源の利用と管理をめぐる諸問題を考えます。
2014年7月17日(木) ~ 7月30日(水)
本企画展では、この21世紀、モニュメント(記念碑)の姿で、まちに増え始めている国民的人気キャラクターたちを《もにゅキャラ》と名付けました。展示では、これらの起源をいまからちょうど100年前コペンハーゲンにつくられたアンデルセンの人魚姫像まで遡るとともに、現代日本のフィギュア玩具や〈ゆるキャラ〉などの文化的流行、アート・ツーリズムや地域活性化などの社会的動向とも照合しながら、メディア文化論的な考察とともに紹介します。
2013年10月26日(土)~11月10日(日)
首都大学東京では火山灰や立川断層などに着目し、東京の地形・地質について長年の研究を重ねてきました。この展示では身近な自然である東京の地形・地質とそれに関連する最新の研究成果について、「東京区部と多摩の地形・地質」「東京のジオ・スポット」「東京の活断層:立川断層帯」の3コーナーを設け、豊富な地図・写真・地質試料などをもとに親しみやすく紹介します。
2013年7月12日(金)~7月25日(木)
首都大学東京南大沢キャンパスが所在する多摩地域の歴史に注目し、研究・教育の成果を展示致します。 時代によって大きく範囲を変化させてきた「多摩地域」の変遷、中世の山城・八王子城と豊臣秀吉による関東侵攻、などについて解説します。また、多摩の歴史を知るうえでの重要史料、本学で保管される「堀江家文書」(堀江家:江戸時代、中野村(現中野区)の名主を務めた)について、現文書の展示・解読を行います。
2013年3月13日(水)~3月26日(火)
縄文時代の人々は、周辺の里山や隣接するクリ林から建材をはじめとする様々な資源を獲得し、集落を作り出していたと考えられます。しかしその形成過程や実態については、未解明の部分が多く残されています。 本展示では、考古学、年輪年代学、民俗学といった多角的な研究によって明らかになった縄文集落の姿、特に森林との関わりについて、先駆的な研究成果をあげる新潟県青田遺跡の研究事例(施設用材の伐採年特定事例;日本初)、また全国の様々な遺跡研究事例を取り上げながらご紹介いたします。
2012年10月24日(水)~11月6日(火)
大都市東京のもう一つの顔、それは山々が連なる奥多摩地域、そして亜熱帯にまでも広がる広大な島しょ海洋地域、伊豆諸島や小笠 原諸島など、豊かな大自然を抱えていることです。この企画展+講演会では東京の山、海、島々に生息する多様な生き物たちを間近にみていただくとともに、それらに関して大学で行われている生態学、行動学、神経科学、進化学、系統分類学などの生命科学研究を紹介します。